瓦桟(かわらざん)とは、瓦桟は(さんぎ)とも言い、引掛桟葺き工法で瓦を引っ懸けてビスで止める場所になります。
通常は横一直線に横桟木を装着するだけですが、風の影響を受け易い地方などは瓦をより固定させることを考慮して縦桟木も取り付けます。
瓦桟の施工
屋根の下地の上に瓦から洩れてきた雨水を家に入り込ませないようにルーフィング(防水シート)を敷いてその上に瓦桟を配置します。
瓦桟は屋根に対し横の直線に設置となってしまうため、流れてきた雨水を止めて蓄積してしまうことがあります。
放っとくと木製の瓦桟や下地の野地板に水が染みこんでしまうことになって腐食の発端となってしまうことになります。
そこで、きずり(横桟木の下にテープ又は流し桟という木材を縦に敷いていくことです。こうする事で横桟木が少し浮きが発生して、その箇所から排水可能になります。
縦桟木とは別のことが理由で設置します。瓦桟に水を通すための穴(ウォーターホール)を付けたりして瓦桟に雨水への解決策を施します。
瓦桟の材料
腐食に強い杉を使用することが大半でした。とはいえ、利用年数と共に腐食していきます。
そこで木材の弱点である腐食に強い樹脂系の瓦桟も存在します。
木材のような反りや筋がない安定的な品質を可能にしたものとなります。
樹脂製の物も木材の瓦桟と同じく、水抜き穴が施されています。
瓦桟が腐食するとどうなる?
瓦桟の材質は良い素材が増えてきてはいますが、残念ですがまだ大部分が「木材」です。
木材なので経年劣化で傷み、腐食してしまうと「瓦がずれ込んだり、割けたり」します。
屋根にこういった状態が発生してしまうと、雨水が侵入が容易になりますので屋内への雨漏りリスクが高くなります。
もちろん二次防水材である屋根ルーフィングシート(防水シート)が施されているはずですが、屋根自体にダメージを受けてしまうと、結果的に雨漏りを引き起こしてしまいます。
ちょっとでも屋根に異常が見られないかどうか、定期的にメインテナンスを行っておくように心掛けましょう。
瓦桟の修理方法
1.瓦桟の補修・交換
料金を安くあげるとおっしゃるのであれば、酷い状態になってる箇所だけ瓦を剥がして一部分を交換して補修することも可能となります。
しかし瓦桟が傷んでいるという事は、防水シート等ももそれ相応に劣化しています。
また、他の瓦桟も傷んでいる場合が多く見られるため、できれば「瓦葺き直し」を推奨します。
2.瓦の葺き直し
瓦の葺き直しは、瓦を一度解体してから野地板と防水シートと瓦桟を新しく取付けて、また瓦を元通りにしてく工事です。
屋根は古くなると全体的に下地は劣化します。瓦桟だけ悪化しているといったケースは多くはないので築30年以上でしたらこの「屋根葺き直し工事」をおすすめ致します。
3.屋根葺き替え
屋根葺き直しよりも予算は掛かってしまいますが、スッパリと「屋根葺き替え」をやってしまうのも選択肢のひとつです。
既存の瓦を全て解体して、野地板、防水シートを取付けた後に、新しい屋根材金属・シングル材・軽量瓦などを葺いていく工事です。(この場合は、桟木の取付けは行いません。)
葺き替えの工事のプラスの面は、屋根が軽くなるので、耐震性に期待できるというポイントです。
瓦桟は耳慣れない単語ですが瓦を支えて雨水の侵入を防止したりなど屋根にとって大変大きな役目をはたしています。
目に見えない部材ですが、瓦桟が役目を果たしてくれるおかげで、瓦屋根を保つことができているのです。
最近では従来の木製瓦桟に代わって、合成樹脂製の高耐久瓦桟が販売されてきていますから耐久性も向上してきてます。
瓦桟の修理を行う場合は、「補修」よりも「葺き直し」や「葺き替え」をご検討してみてください。